業務用無線があることで、企業や利用者にどんなメリットが期待されるのか。業種別に活用シーンや、期待される効果を紹介します。
業務用無線を使う職種として真っ先に思い浮かべるのが、コンサートやライブなどを手掛けるイベント関係の仕事ではないでしょうか。
舞台、照明、音響など、それぞれが離れた場所で業務しているのをインカムやトランシーバーといった業務用無線で演出陣が指示し、イベントをスムーズに進行させるシーンは、一度は見かけたことがあるでしょう。
似たような業種に、映画やドラマの撮影など映像関係の会社もよく使っていますよね。
また、警備スタッフも業務用無線を多用する業種です。駐車場の出入口で車を入出庫する際や、警備上の異常があれば早急に本部に連絡するというシーンなどでよく使われます。
このように、離れた場所にいるスタッフを業務用無線で管理・統括し、業務効率化を図っている職種は、上記の業種以外でも増えています。
例えば、大規模な建設現場、ホテルや旅館などの宿泊施設、工場・配送センター、自治会・学校のイベント…など。さらに、サービス業においては売上アップにつなげるために業務用無線を活用している業種も多くなっているようです。
例えば、駅前やお店の前で客をキャッチする居酒屋などの飲食店は、その最たる例でしょう。デパートやホームセンターなどの大きな商業施設でも、業務用無線でサービス向上をはかり売上アップを達成しているところは多々あります。
このような法人以外でも、最近では団体の登山ツアーやスキーツアーといったレジャー関係、サバゲー(サバイバルゲーム)など、個人が業務用無線機を使用するシーンも多くなっているようです。
では、具体的にどのような活用シーンがあるのか、そして業務用無線機を使うことで得られる効果やメリットは何なのか。それぞれの業種でよくあるシーンを例に出し、インカムやトランシーバーの効果を検証してみましょう。
1:お客様のウエイティング時間の短縮
お客様は少しでも早く席について食事の注文をしたいものです。スタッフ間で連絡をスムーズに行なうことによって、空席情報を共有しお客様にご案内できます。
2:料理の提供時間の短縮
厨房とフロアの連絡をスムーズに行なうためにインカムが活躍します。料理が完成した時にはすぐにお客様のもとに提供できますし、オーダーミスがあったときにも迅速に対応できます。
3:お客様のキャッチにも便利
店舗の外でお客様をキャッチした時にインカムで人数や座席タイプを店内スタッフに連絡することでスムーズに案内できます。店舗入り口で時間をロスすることがないのでお客様も気持ちよく来店できますし、店舗の混雑解消にも効果的です。
屋外での警備をする場合には防水機能を搭載しているものがおすすめです。通常タイプよりも金額がアップしますが水濡れによる故障を防止できます。また、エマージェンシー(緊急通報)機能が付いているものであれば、トラブルや異常時にも迅速に連絡できます。
現金輸送や高級品の運搬時などセキュリティ対策が必要な場面では、秘話機能付きインカムがおすすめです。携帯電話とは違い運転中も使用可能ですし、万が一の時は迅速な報告・対応ができます。もちろん盗聴される心配もありません。音声の性能を重視するのであれば咽頭マイクつきインカムがいいでしょう。周囲の雑音をカットして聞き取りやすい音声を提供します。
イベントをスムーズに進め、成功させるためにはスタッフ間の連絡が必須。インカムを使うなら、安全確認や準備の進行状況、撤収連絡などをボタン一つでスタッフ全員に周知させられます。イベント会場ではコンパクトなインカムが人気です。
スピーカーマイクやイヤホンマイクをつけていれば、首からぶら下げて使用することができるので両手が使えて作業の邪魔になりません。携帯電話を使ってコミュニケーションを取ることもできますが、通話料の問題や携帯電話を取り出す等の作業ロスが生じます。なるべくスムーズに情報共有を行ないたい場合、インカムは最適ですね。
建築現場で一番大切なのは安全性です。たくさんの危険性が潜んでいる現場内で作業員にインカムを携帯させることで、作業員の場所や作業状況などを把握が可能に。万が一、事故等が発生した場合でもすぐに連絡を取ることができるので迅速な救命処置や災害対応を行なえます。
現場監督であれば各作業員の状況を把握することが必要ですから、インカムを使うことによってリアルタイムで現場全体の状況を把握。ハンズフリータイプを使用するなら作業の邪魔にもなりません。
宿泊するお客様をお迎えする時、ドアマン・フロントデスク・客室案内スタッフへとスムーズに情報を伝達するのにインカムは大活躍です。大人数のゲストが訪れた時やVIP客が来た時も、インカムでコミュニケーションを図ることで大きなミスやトラブル防止に一役買います。
クオリティの高いおもてなしを実現させることでお客様も大満足。また、地震や火事などの緊急災害時にも避難・誘導・救助連絡の他、防災設備点検時や上下階で情報を共有する時にも便利なアイテムです。
インカムの使用で店員や在庫の確認がスムーズに行えます。バックヤードとフロアの連携がスムーズなのでお客様に在庫状況をすぐに伝えることも可能に。また、在庫数を確認したい時や専門スタッフを呼び出すときもお客様を待たせることなく迅速に行動できます。
特に専門性の高い問い合わせを受けた時にもインカムで情報交換すれば時間の短縮が図れる上、各スタッフの作業状況や配置などもすぐに知ることができるので業務の効率化が捗ります。
広い工場内でスタッフ間の連携を行なうのは簡単ではありません。連携がうまく取れていないと作業効率が悪くなるだけでなく、事故などのトラブルの原因になることもあるので、広い工場内でインカムを使った連携で安全かつ迅速に業務を行なうことができます。トラックで入荷した荷物を入荷口でおろして、フォークリフト等で荷置き場所まで運ぶときにもインカムが活躍。
また、インカムを使えば作業をしながらでも貨物の状況を全員が把握できるので在庫確認や荷物の整理時間の短縮など、業務時間の短縮も期待できます。
自治会や町内会ではお祭り、イベント、運動会、学園祭などの行事が沢山行われます。インカムを使うならイベント進行をスムーズに行なえます。
案内スタッフや担当責任者間でコミュニケーションを取ることによって、保護者や参列者、児童などを安全に効率よく案内。また、入試試験中などに緊急連絡を行なう場合、インカムがあれば校内放送を使用しなくてもいいので試験中の生徒の邪魔になりません。
雪山登山やツーリング、アウトドアレジャーなどにもインカムは大活躍します。登山時には危険な箇所などを仲間に伝達できますし、距離が離れている相手ともコミュニケーションが取れるので安全性も向上。バイクが好きな方にとって仲間とのツーリングは至福のひと時になりますよ。
ヘルメット内にインカムをセットできるタイプを選べば走行中でも仲間と会話が可能。道案内をしたり、休憩のタイミングを図ったりなど、ツーリングの楽しみが倍増するでしょう。サバゲーをするときに仲間同士で連絡を取り合う手段としてインカムがあれば本格的な雰囲気を味わえちゃいます。
介護の分野でインカムを利用することにはいくつかのメリットがあります。
1:スタッフ間の情報共有が可能になる。
従業員にインカムを持たせることによって共有したい情報をストレスなく伝達することができます。大きな声を出す必要もありませんし作業の効率を妨げることもないのでとても便利です。
2:現場の雰囲気を乱さない
少し離れたスタッフに尋ねたいことや手伝ってほしい時にインカムを使うならスマートにコミュニケーションを取れます。
介護施設内で大きな声を出すことに抵抗を感じる方は多いようですがインカムであれば大声を出す必要もありません。
3:作業効率の低下を防ぐ
「ナースコール」や「内線呼び出し」を使って該当スタッフを呼び出すこともできますが、作業効率が低下するデメリットがありました。インカムであればその場ですぐに該当スタッフを呼び出せます。
駐車スペースの状況を正確に把握するためにはスタッフの間で情報を共有することが大切です。大型駐車場や駐車スペースが複数に分かれている場合などは、それぞれの空白状況を正確に把握しなければ、顧客を振りまわしてしまうかもしれません。
車両事故や不審車両等を発見した時なども迅速に行動することで、緊急事態に迅速に対応できますし大きなトラブルを未然に防げるでしょう。また、イベントなどの臨時駐車場が場外に設置されている場合もインカムで連絡を取り合うことによって誘導はスムーズに。
登山ハイキング中に連絡を取ったり、お互いの居場所を確認したい時に電波状況に関係なく連絡を取り合えます。ロケーションに左右されない高出力型のデジタル簡易無線トランシーバーがオススメ。当然、緊急事態の時にも仲間の居場所の特定や救助要請できます。
患者の命を守るため、常に的確で迅速な対応が必要とされる医療現場では、医者やスタッフ同士が連絡事項の伝達を円滑に行うことが大切です。ハンズフリーで使えるインカムは、電話とは違い、治療や手術の最中でも、両手で作業を行いながら通話できるので便利です。ただし、医療機器に悪影響を与えない電波方式の無線機を選びましょう。火事や地震などの災害時には、体の不自由な大勢の患者をスムーズに避難させるのにも役立ちます。
介添えが必要な高齢者のお世話をするにあたって、スタッフ間の連携は必要不可欠。
車での送迎時や入浴介助など日常的な業務はもちろん、火災や地震など万一のことが発生した場合、スタッフ間でスピーディかつ正確な情報の伝達・共有を行うことが重要なポイントとなります。
無線機やインカムは施設内にいるスタッフ全員と瞬時に通信することができるので、ヘルプの依頼や申し送りも簡単。業務用トランシーバーとは異なり、医療機器に悪影響を及ぼす心配がないので、安心して導入することができます。
福祉施設で使用するならコンパクトサイズのもので、かつ施設全体をカバーできるような通信範囲の広い機種を選ぶとよいでしょう。
たくさんのスタッフが入り乱れる撮影現場では、スタッフ全員に適切な指示を出せる無線機・インカムが大活躍。
私語厳禁の撮影現場においても、離れたところにいるスタッフに的確な指示を出したり、大勢のスタッフに対し一瞬で撮影スタートを知らせるなど、さまざまなシーンで活用できます。
ヘッドセットやイヤホン型マイクと併用すれば手ぶらで通信できるので、常にカメラを構えていなくてはならないカメラマンにもうってつけ。サイズもコンパクトなのであちこち歩き回っても邪魔にならず、業務に集中することができます。
撮影現場で使用するのなら、騒音下でもクリアな音質で通話できる機種や、ヘッドセット同梱型のタイプを選ぶのがおすすめです。
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